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《ウンジョンの記憶》
3月7日。
まだ陽が昇る前。
お腹に痛みを感じて目を覚ました。

それからしばらくは一人で耐えていたけど……。

「……ジェホンさん……。ねぇ、ジェホンさん……。」
「………ん?」
「お腹……痛いの……。生まれるかも……。」
「………ん?生まれるのか?」
「うん。」
それから一瞬だけ間があって……。
ジェホンさんは飛び起きた。

そして徐に電話をかけた。



《皇太弟イ・シンの記憶》
チェギョンが第二子を出産して、ヒョリンが第一子を出産した。
残すはジェホンのところだけだ。

僕はその日公務で光州市に泊まっていた。

なんとなく……昨日あたりジェホンから出産の報告があるような気がしていたものだからちょっとガッカリした気持ちでベッドに入った。

夢の中でまだきちんと触れ合うことも出来ていない第二子セナを抱き上げた瞬間。
僕は現実世界へと引き戻された。

眠い目を擦り携帯を取る。
電話の向こうで慌てたジェホンが言う。
『ウ、ウ、ウンジョンが産むって……!!!!!』
「そうか。で、今、病院か?」
『家だ!!!お、俺……どうすりゃいいんだ?!』
完全にパニックに陥っているようだ。
「ジェホン、落ち着け。まずは深呼吸だ。深呼吸を5回しろ。」
そうさせておいて僕は副室に内線をかけてジヌンを呼んだ。